今回はこちらのイラストの制作過程をお話しようと思います。
制作期間 | 2023年8月(1日) |
使用ツール | Procreate |
🌼このイラストを描こうと思ったきっかけ
季節を先取りして、「秋っぽいイラストを描きたいな」と思っていたところに、母上が「焚き火でマシュマロ焼いてる絵とかは?」とアイデアを出してくれました。
そのアイデアを聞いて、「楽しいイラストになりそう!」と思ったので、描くことにしました。
焚き火って秋っぽいし。

焚き火=焼き芋のイメージ?
🎨下書き・構想





今回はめずらしくカラーラフです
夜の森の中で、うさぎさんといぬくんが仲良く焚き火でマシュマロを焼いているところを描きました。
丸太の椅子に座って焚き火を囲むのって、キャンプって感じがしてよくないですか?!
💡構想
手前の木よりも後ろの木の色を薄くすることで、空気遠近法で遠近感を出しています。



空気遠近法大好き侍
今回のラフ(下書き)では、色の薄さを表現するためにドットブラシを使って塗ってみました。
💡構図について
構図は、中央にイラストの主役がある、日の丸構図です。
ただ、日の丸構図は構図自体に安定感があるぶん、きっちりかっちりしすぎてしまうことがあるので、楽しい画面になるように、地面の湾曲や木の配置を互い違いにしたりして、動きを出しています。


また、画面を3分割したときに、線が交差する位置に、今回のイラストの主役であるうさぎさんといぬくんを配置して、最初にメインのキャラクターが目に入るよう、目線誘導も行なっています。
🎨線を描く


「夜だから、背景色は紺色にしよう!」と思ったので、背景色を紺色にしてから線を描いています。
でも、描いている線が見づらいね。笑
🎨色を塗る


一旦、ベタで色を塗りました。
カラーラフの段階でそれぞれの色は決まっていたので、サクサク塗っていきます。
🎨影と光を描き込む


光源(焚き火)からの光の当たり具合を想像しながら、影になる部分と光の当たる部分に色を塗っていきます。
木に当たる光をもこもこさせることで、葉っぱがいっぱいある様子を表現しています。
また、焚き火から出る火の粉の周りに、ぼかした同じ色を置くことで、光っているように見せています。
✨完成…?
そうして、ちょっとモチーフの位置をいじったり加筆したものがこちら。





う〜ん、なんか思ってたのと違う…
何がどう違うのかを言葉で説明するのはむずかしいのですが、なんというか、もっと楽しい雰囲気のイラストに仕上げたかったのです。
が、できた絵を見ても、いまいち心が惹かれない。



もっといい表現があるはずだ!
というわけで、一回全部消します。
🎨線を描く


というわけで、新しいキャンバスにおんなじ下書きを持ってきて、再び線を描いていきます。
さっきは、舞い上がっている火の粉には光っている感じを優先して線を引きませんでしたが、今度は舞い上がった火の粉の線もちゃんと描いてみることにしました。
🎨色を塗る


さっきは背景色が暗すぎたかも?という気もしたので、今度は背景色を黄色っぽい色にしてみようと思います。
また、下書きのときのドット絵での色の濃淡の表現がいい感じだったので、ドットブラシを使って色の濃淡を表現していきます。



さっきよりいい感じかも!
🎨光が当たっている部分だけ色をつけてみる


カラーラフの塗りの感じが雰囲気に合っていてよかったので、カラーラフの塗りの感じを大事に、光の当たっている部分だけに色を塗ってみました。


この塗り方は、先ほどの全体に色を塗ったレイヤーの下に新しいレイヤーを作り、全体に色を塗ったレイヤーをクリッピングマスクにして、新しいレイヤーで光の当たっている部分のみを着色することで表現できます。
こうして言葉で説明すると「なんかむずかしいこと言ってるなあ」って感じだけど、要は色を塗ったものの下にマスクを用意してあげればいいってことです。
そうすることで、マスクとして設定した部分にのみ色が乗ります。
🎨影をつける


現実世界での物の影色は、よーく見ると少し青っぽく見えるのですが、「もういっそがっつり青色だとしてもイラストなら影色として成立するのではないか?」と思ったので、試しに青を使ってみることにしました。
ただ、青ベタ塗りだと物足りない感じがしたので、黒でドットを重ねました。



わたしの中にはなかった表現をすることができました!
また、背景色も、影色の明るさに合わせて明るい黄色に変更してみました。
こうすることで、時間帯が夜であることを保ったまま、一気に雰囲気を明るくポップにすることができました。
🤔考察
これだけ鮮やかな青色を影色に設定しても夜設定を保っていられるのは、画面内に月を描いているのもありますが、『暗いところでは青は鮮やかに見える』という現象が関係しているのではないかと考えています。



この現象を、プルキンエ現象といいます
つまり、脳内で勝手に『青が鮮やかに見える=暗い場所』という方程式が成り立っているから、青色を鮮やかにしても夜に見えるのではないかということです。
🎨仕上げ




最後に、飛び散った火の粉やキャンプファイヤーの光を表現するために、周りに火と同じ色でドットを付け足しました。
全体の雰囲気を損ねることなく、発光の表現ができたと思います。
✨完成
そうして完成したイラストがこちら✨


描き直す前後で比べてみるとこんな感じ。




後者の方が圧倒的によくなりました!!(と、わたしは思っている)
かなり満足のいく、いい作品に仕上がったんじゃないかなと思っています。
また、新しい表現方法もできて、描いていてとても楽しかったです。
これからも日々進化を続けていきたいです。
🎥制作動画
こちらのイラストの制作動画です🌟
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